「君の名は。」がヒットした4つの理由

人気の理由

「君の名は。」がなぜヒットしたのかわかったので、書いておきます。

「君の名は。」ヒットの理由①

「君の名は。」はなぜこれほどヒットしたのでしょうか。
私が思うのは、見ている人が適度に引き込まれる程面白いということです。
誰もが異性に生まれ変わりたいと一度は思ったことがあるのではないでしょうか。
そのときにすることは男性であれば、乳を触ること
女性であれば、イケメンになること。
その二つの願望を観る人は追体験することが出来ます。

そして、三葉と瀧は入れ替わった状態で、喧嘩しながらもうまくやっていくのです。
三葉は瀧というイケメンの状態で女性とデートをすることを経験したり、瀧は三葉に男に触るなと言われたりします。
そんな、イチャイチャが観ている人はたまらないのかもしれません。

「君の名は。」ヒットの理由②

「君の名は。」は観ている人が思い描く最高の方向へ進みます。
三葉が死んだことを知った後、三葉を応援していた観客は三葉を生き返らせて欲しいと願います。
そして三葉に恋心を抱いた瀧が三葉を救いにいきます。
瀧は観客からイケメンと思われるほどかっこいいキャラクターです。
観客は当然二人を応援します。

そしてお互いが好きであることを確かめる糸守町での接触シーン。
その後の手のひらの「すきだ」の文字は誰もが欲しかった展開の上を行く展開なのです。

そして、月日は流れ、観進めて行くと三葉が助かっている世界の描写が出てきます。
そしてテッシーと早耶香の存在。
三葉が生きているかもと思わせる伏線になります。
この時点で観客は三葉が生きていればいいなと思います。
でも三葉と瀧君はもう会わないんだろうな。
そうなると悲しいけどまあそれが現実だ。みたいな展開を予想します。

三葉と瀧がすれ違うところで、それは確信に変わります。

「ああ、このまま会わないんだ。そうだよな」と。

しかし、瀧はすれ違う電車の中で三葉を見つけます。
それがかつて三葉が瀧を見つけた時と同じように。
なんだ!きたーと観客は歓喜に舞います。

そして映画の最後に二人は出会い、「君の名前は?」と問いかけるのです。
またしても観客が予想した結末の上を行く展開が起こるのです。

「君の名は。」ヒットの理由③

これだけでもヒットはするでしょうがここまでのヒットにはなりません。
重要なのはもう一度観たいと思えるストーリーであることです。
「君の名は。」は多くの人が二回以上観ています。

②の理由で観ている人の期待を超えた展開を見ることができたことで
観客はおそらくこの映画自体が最高の幸福であったと思うはずです。

と同時に”なぜ、三葉が瀧と入れ替わったのか”という疑問を回収したくなります。
それはこの物語を構成している最大の要素であり、主人公の二人が起こした最大の謎なのです。
物語の結末を知った後に、もう一度見ることでその謎がどこかに隠れているのではないかと思います。
そして、風景描写がきれいなこの映画はもう一度その謎を解くのに惜しくない映画だとなるのです。
この理由から一度観た人はもう一度観たくなります。
一度観た人は一回目と違う人を誘うでしょう。

そして観た人はおばあちゃんの言葉。そして三葉の言葉から、「あ、そういうことか」となります。
しかし、それは答えでもなんでもありません。
ただ、三葉の祖母も誰かと入れ替わっていたという事実だけで、なぜ、三葉が瀧と入れ替わるのかは結局わかりません。

だけど、自分が見落としているだけかもしれない。

二回見た人は、もう一度観たくなります。

なぜなら、もうすでに瀧か三葉のどちらかに恋をしているからです。

このようにして、一回見た人は何度も映画館に吸い込まれていくことになります。

「君の名は。」ヒットの理由④

二回以上観たくなる理由がもう一つあります。

それは、読めそうで読めない展開です
観ている人は瀧も三葉もスマホを持っているので、都会と田舎の少年少女が入れ替わっているのだと思うのでしょう。
この物語は互いに連絡をすれば会えるのでは。と
しかし、瀧が電話をしても三葉には繋がりません。
なぜだ。となります。

時代がずれているのか。と考えているうちに、物語は進み、答えが出ないまま、三葉が彗星落下で死んだことを知らされます。

この間に観客はあまり物語に集中していなかった自分に気づくのです。

そうして、もう一度答えを知った上で、伏線を確認したいと思うと同時に、瀧が三葉にかけた電話の部分からもう少しちゃんと観たいと思うのです。

これによって君の名は。何度も見てしまう人を続出させ、大ヒット作となったのです。

あらすじ

瀧君と三葉は互いに夢で入れ替わっていることに気付きます。
互いの人生を邪魔しない為にメモ帳に残し、互いが行ったことを報告し、上手くやっていました。
彗星が二つに分裂し、落下したところで、瀧君のストーリーのみになります。
なぜか三葉との入れ替わりがなくなったのです。
瀧ははじめバイトの先輩に恋をしていました。それを三葉もサポートしてくれていました。
しかし、先輩に「あなたは別に好きな人がいる」と言われ
瀧は自分が三葉に恋心を抱いていることに気づきます。

それ以降、瀧は三葉と入れ替われないことが気になり、三葉の故郷へ行くことを考え
三葉の故郷の絵を描き始めます。
バイトのお金を貯めて、三葉の故郷へ行く瀧。
瀧が心配になり、先輩も来ることになりました。

先輩の助けもあり、三葉として最後にいた場所が彗星が分裂し、落下し、街の半分が死んだ大災害が起きた糸守町だと知ります。
三葉がそれに巻き込まれて死んだことを知った瀧はもう一度
三葉が死ぬ前の三葉になれるよう画策します。

そして、思い出すのです。
三葉は死の前日瀧に会いに着ていたことを。
しかし、それは3年前の出来事で、瀧は三葉をまだ知りません。

瀧は三葉に「誰なの?」と言ったこと。そして三葉が去って行ったことを思い出します。

あのときの少女は三葉だったのだ。
瀧は三葉が死ぬ一日前に戻ります。
瀧は三葉として、町民全員を彗星が落ちる前に避難所へ誘導する計画を画策するのです。

テッシーと早耶香と電波塔を爆破し、火事が起きたことにし、町民を避難させよとするのです。
しかし、町民は彗星が落ちる直前まで言うことを聞いてくれません。

瀧は三葉が聖域にいるのではないかと思い、会いに向かいます。
そこで初めて会うことが許された二人は名前を忘れないように互いの手のひらに名前を書こうと話し合います。
そして、瀧は三葉が会いにきてくれたときにまだ知らなかったと告げます。

そして三葉が瀧の手のひらに名前を描こうとしたところで入れ替わりは解けてしまい互いの姿が見えなくなります。
三葉は瀧が書いた名前を手に握りしめ、町民の避難を促しに戻ります。

そして、向かう途中に瀧の名前を忘れてしまいます。
瀧もすぐに三葉の名前を忘れます。
名前が書かれた手のひらを見ると「すきだ」の文字が。

時は過ぎ、就活生になった瀧はいつも誰かを探し世界をさまよっているように描かれます。
これは新海誠監督の「秒速5センチメートル」という作品を彷彿とさせる演出です。

誰かを探しているが、それが誰なのかわからない。

テッシ−と早耶香がいるのを見るが、誰なのか思い出せない。
糸守町のことを必死で調べた記憶もある。
糸守町は彗星が落ちる前奇跡的に避難訓練をしていて、町民のほとんどが助かったと記憶している。

瀧はすれ違う電車に忘れてはいけない人が乗っていることに気づき、電車を降ります。
街を探し、やっと探し出したの女性は大人びた綺麗な三葉でした。

瀧は三葉に「君の名前は?」と問います。