「君たちはどう生きるか」は読むべきか?なぜ売れてる?

商品紹介

「君たちはどう生きるか?」がめちゃくちゃ売れているので、読んでみることにしました。

池上彰さんが解説するほど話題な本ですが、読むべきかと言われたら、「読んでもいいのでは?」と思うくらいでした。

ですが、おそらく読むと感動すると思いますし、素直にすごいと思いますし、読んで良かったと思います。

これを読んで何か人生が変わるのか?と聞かれると「う、うん」くらいです。

僕たちはどう生きるかを考察

※ネタバレがあります。

この本で問われているどう生きるかという部分ですが、私は”立派な人間になることが大切だ”と言われている気がしました。

立派な人間とはどういう人なのか?

主人公コペルくん(本名:本田潤一)(小学生高学年から中学生くらい)の父親は早くに亡くなってしまいます。

叔父であるもう一人の主人公・おじさん(元編集者)がコペルくんを立派な人間にして欲しいと父親にお願いされます。

おじさんは潤一くんを立派にするため、潤一くんの家の近くに引っ越してきます。

おじさんは潤一くんの「自分は分子みたいだ」という発言に感銘を受け、それ以来手紙のやり取りをするようになります。

潤一くんが”自分のことを分子みたいだ”と言ったのは、コペルニクスが地動説を訴えたことに似ていると思ったからです。

人は自分を中心に考えてしまうような生き物です。

なので地球の周りを太陽が回っているとずっと勘違いしていました。

しかし太陽の周りを地球が回っていることが事実で、宇宙には太陽のような恒星は無数に存在します。

私たち人間など宇宙のちっぽけな存在に過ぎないのに、多くの人は人間が一番偉いと勘違いしてしまうのです。

この考え方はとても傲慢な考え方だと言っている気がします。

潤一くんが「自分は世の中を回している一部に過ぎない」と言ったのは自分を中心に考えていない素晴らしい考え方だと、おじさんは感動したのです。

それからおじさんは潤一くんのことをコペルくんと呼ぶことになります。

立派な人とは?

立派な人とはどういう人なのかをこの本はいくつかの章に分けて、伝えようとされています。

全てはお伝えしませんが、私がこういう人のことなのだなと思ったことをお伝えしたいと思います。

事実に気づいたら曲げない

コペルニクスさんは太陽の周りを地球が回ってることに気づきましたが、コペルニクスさんが生きていた時代は地球の周りを太陽が回っていると考えられていたのです。

しかしそれは間違いだと気づき、コペルニクスさんは必死で自分の主張を訴えました。

コペルニクスさんは、危険な思想だと言われ、逮捕されてしまいます。

普通の人であれば、正しいことをしたとしても逮捕されるとなると、周りに流されてしまうのが当たり前の行動だと思います。

しかし立派な人というのは事実を訴えることができ、周りに流せれない人だということではないでしょうか。

地動説は今や常識になっていますが、過去においては逮捕されてしまうような考え方だったのです。

このようなことは他にもたくさんあります。

マンデラさんは正しいことをしたのに獄中生活を余儀なくされ、キング牧師さんは人種差別を訴え各地を回りましたが、なかなか受け入れてもらえませんでした。

アウンサン・スーチーさんは国内の軍事政権と対峙をした結果、自宅に閉じ込められました。

一昔前は部活で水分を補給することを禁じられてもいたのです。

最近亡くなられた劉暁波(りゅうぎょうは)さんは中国(社会主義)で民主化運動を行ない、逮捕されました。

人間には周りからどんなに非難されても、自分の意思を曲げない人がいます。

この人たちはなぜそういうことができるのでしょうか。

それは自分の考えが、より人々のためになるとわかっているからかもしれません。

そしてこの人たちは、きちんと世界で認められています。

多くの人に幸せをもたらす優れた思想は、きちんと評価され後世に受けつがれるのです。

今でもまだまだ改善すべき点がいくつもあります。

お金に支配される世の中は本当に正しいのか?

自分が同性愛者であると会社で言えず、嘘をつき続ける社会が本当に正しいのか?

豚肉を食べない人がいる社会が本当に正しいのか?

自分たちの思想が正しいと言って争う世の中が本当に正しいのか?

おかしなことはまだまだたくさん残っているのです。

それらを正しい方向へ導くことがどうしてこんなに難しいのでしょうか。

私は正しいことを最後まで正しいと言える人が立派な人なのだと思います。

どんな状況でも実直に生き、堂々とする

まだ非常に感銘を受けた話があります。

ナポレオン(フランス人)という方がとてつもなく強かったという話が出てきます。

この方はヨーロッパに敵なしと言われるほど強かったのですが、島国であるイギリスがなかなか屈しません。

しびれを切らしたナポレオンさんはイギリスと仲のいいロシアを攻めることにします。

ヨーロッパの人々は飢えていました。

それを解決するためにロシアに攻めることが必要だったのでしょう。

しかしその計画は極寒という条件下で破れてしまいます。

今まで敵なしと謳われた有名人が、破れてしまいしかも国に大損失を与えてしまいます。

ナポレオンさんは幽閉されてしまうのです。

しかしこの方はどんなに窮地に追い込まれても、毅然とした態度を保ち、失意の念を感じさせなかったのです。

その後、島を脱出し一度復位するほどの精神力を持っていました。

立派な人とはどんな状況になっても、自分の信念を曲げない人だと思いました。

生きていれば、失敗することや周りから非難されることがあると思います。

しかし周りから後ろ指を指されても、自分に誇りを持つことを忘れてはいけません。

ナポレオンさんは世間から批判されても、毅然とした態度で人々の前に現れ自信を持ち続けたのです。

それにはイギリス市民も屈服しました。

立派な人とはそういう人なのではないかと思います。

自分の非を認め、謝罪できる人

コペルくんはこの小説の中で仲間を裏切ってしまいます。

上級生から目をつけられてしまった友人・ガッチンをみんなで守ろうと言ったのに、自分から言い出したのに、いざ岩のような拳を持つ上級生が目の前に現れた時、コペルくんは逃げ出してしまったのです。

他の友人たちは盾になり、ガッチンを守ろうとしたのに、コペルくんだけ勇気を出すことができず、逃げてしまったのです。

そのことを思い悩み、コペルくんは不登校になってしまいます。

おじさんは人間は選択する自由を持っていると言ってくれます。

人は過ちを犯すこともあるが、それに謝罪する力を持っていると言ったのではないかと思います。

コペルくんはなかなか友人たちに自分のした過ちを謝罪できずにいました。

もう友達ではないと思われているのではないかと考えると恐ろしかったからです。

自分はそう思われてもいいことをしてしまいました。

謝りにいったコペルくんを友人たちは優しく受け止めてくれます。

何日も休んでいたコペルくんを心配してくれていたのです。

現実はどう転ぶかわかりません。

謝罪しても、許されるとは限りません。

しかし自分がした悪いことをきちんと謝罪できる人は立派な人なのです。

読んで良かった部分

主人公のコペルくんとおじさんのやりとりが印象的なこの本ですが、私が読んで良かったと思えたのは、どう生きるかをきちんと学べるところだと思います。

貧乏だろうとお金持ちだろうと、自信を持って生きることが大切だとも書かれています。

この本には生きる活力がたくさん埋め込まれています。

池上彰さんが絶賛されているこの本は確かに、胸の奥にしまっておきたい一冊であります。

PR