「車輪の上」乙武洋匡の生命力

すごい人

「車輪の上」がiTunes のレコメンド書籍として載っており、その表紙の絵が気になり購入しました。

内容としては車椅子の青年が、ホストになり、健常者と比較されながらも常識を覆していく物語です。

ホストクラブ「維新」にはリョーマという素晴らしいオーナーがおり、「維新」には訳ありのホストたちが多くいました。

シゲノブこと進平は車椅子ながら、ホストクラブでナンバー2になるまで、のし上るのです。

進平は乙武さんのような人だと思いました。

乙武洋匡さんの凄さ

乙武さんは「五体不満足」で有名になり、テレビでコメンテーターとして活躍されていました。

しかし何股もの不倫が明らかになり、その活動が制限されるようになりました。

騒動後初の仕事として、「車輪の上」を上梓されました。

「車輪の上」はその表紙から、絶対面白いのではないかと期待させる何かがありました。

車椅子の人が困難に立ち向かう、底力のようなものをもらえるのではないかと期待し、購入しました。

それよりも何よりも、乙武さんの凄さが、私に感動を与えました。

不倫騒動はもはや芸能界的には地名的で、いくら乙武さんでもその未来は絶望的ではないかと思います。

もはや二流芸能人と化した彼は、正気不能になっているのではないかと思ったのです。

しかしそんな状況にも関わらず、まだ何かを発信しようとされています。

そして「車輪の上」にはきちんと希望や生きる力などのメッセージが書かれていました。

この人はとてつもないパワーを持っているのだと思いました。

どんな状況でも必ず前に進もうとする力があるからこそ、注目を浴び有名になったのではないかと思います。

「車輪の上」の凄さ

「車輪の上」の見所は、普通では考えられない行動力を持った車椅子の青年が、前に進んでいくことです。

皆さんは車椅子の生活を余儀なくされた時、どう思うでしょうか。

自分では気づかないところで、様々な可能性をそぎ落としていくのではないでしょうか。

自分にはそんなことはできないと、様々なことを諦めることになるのです。

しかし進平はホストになることを目指しました。

それは「お前にホストになんかなれない」と言われたからです。

どうして車椅子だからホストになれないと言うのですか?

この言葉が深く心に突き刺さります。

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人は自分に障害があるとわかった時に、勝手に可能性をそぎ落としてしまうのかもしれません。

車椅子の人は不幸だ。

車椅子の人はいろんなことができない。

そんなことを勝手に思っているのです。

しかしそんなことはありません。

進平は生まれた時から歩くことができませんでした。

それが普通でした。

もちろん自分は健常者ではありませんし、トイレ掃除すらできません。

それでもやれないと思われることができることだってあるのです。

なぜ車椅子の人がホストクラブにいてはいけないのでしょうか。

これは明らかに偏見です。

どうしてフィットネスクラブのチラシを車椅子の人には渡さないのでしょうか。

これも明らかにおかしいことなのです。

この小説は私たちが気づかない、可能性への偏見を形にした素晴らしい本ではないでしょうか。

もしかすると、乙武さんは車椅子の人が不倫をしてはいけないとそういうことをおかしいことだと言っているのかもしれません。

不倫はもちろんいけないことです。

しかし普通は車椅子だと、彼女すらできないかもしれません。

そんな状況で乙武さんは何人もの人と交際したのです。

これはもしかすると、とてつもなくすごいことなのかもしれません。

この人はスターなのです。

乙武さんは車椅子だからこそ、不倫をしたのではないでしょうか。

彼の中に私たちが想像できない、思いがあったのかもしれません。

それは人生を賭けた訴えだったのではないでしょうか。