【「ニッポンノワール」考察】黒幕は誰なのか?〜碓氷班長を殺した犯人は克喜か?〜

ドラマ

ドラマ「ニッポンノワール」が面白くなってきたので、考察をしていきます。

このドラマの最大の争点である黒幕が誰なのかというところについて、ドラマ「あなたの番です」で黒島が犯人だと早くに気づいていた私が考察していきます。

私は今まで数々の推理ドラマを見てきた知見と、ドラマの脚本を書いていた経験から脚本家目線で考察していきます。

さて、今回「ニッポンノワール」最大の疑問である碓氷班長を殺した犯人が誰なのかというところを考えていきたいと思います。

私はズバリ、碓氷班長を殺したのは息子の克喜だと考えています。

克喜は事故によって母親である碓氷薫(広末涼子)を殺してしまった可能性があります。

さらに「十億円強奪事件」の犯人と碓氷班長を殺した犯人は別物だと私は考えています。

それではその根拠を説明していきます。

【「ニッポンノワール」考察】黒幕は誰なのか?〜碓氷班長を殺した犯人は克喜か?〜

私が碓氷班長を殺した犯人が克喜だと思ったのには2つの理由があります。

  1. 克喜は感情のコントロールが効かなくなることがある
  2. 清春が記憶喪失だというのは部分的に嘘の可能性がある

克喜は感情のコントロールが効かなくなることがある

まずこちらについてですが、4話で克喜は感情が高ぶるとわけがわからなくなるということを清春が言っています。

わけがわからなくなるということは、お母さんを殺してしまう可能性もあるということではないでしょうか。

お母さんを殺さないまでも、感情が高ぶると抑制できず、何かを破損させてしまいそれを人にぶつけてしまう可能性があるといことです。

私はこの克喜の癖が母親である碓氷班長が死んだ後に出たのではないと思っています。

もちろん碓氷班長が死んだ後に出たという可能性もありますが、4話の清春の言い方から考察すると、以前にも感情が高ぶりわけがわからなくなったことがあるというように聞こえます。

(「ニッポンノワール」はHuluで1話から見ることができます。)

清春のセリフ「本人曰く感情が高ぶるとわけわからなくなることがある」

克喜「わけがわからなくなることがある」と言ったんですね。
何度か経験をしているから感情が高ぶるとという原因を整理できているんです。

ちなみにこれは誰かが克喜に教えた可能性があります。

ここで重要なのが、克喜本人が自分でその行動を抑制できないというところです。

克喜が3話起こした行動は、異常なものでした。

喫茶店「bonnaro」の皿やコップなどの備品を壊したんですね。

それも相当な量を。

まさに暴れまわるという感じです。

これが以前にも怒ったとすれば、それが原因で母親である薫を殺害してしまった可能性があるのです。

とはいえ、10歳未満の少年は刑事責任を問われません。

(いくつかわかりませんが、演じている田野井健くんは10歳だそうです)

ここが大きなキーポイントになると思います。

私は脚本家目線で非常に疑問に思っていることがありました。

どうして克喜は小学生なのかと。

中学生や高校生なら行動範囲も広がるし、いろんなことができます。

1人でいなくなったり、いろんな知的セリフを言えたりします。

しかし未熟ですので、危なっかしいので、物語を深くすることができるのです。

しかし脚本家の武藤将吾さんは克喜を小学生に設定しています。
それは今後小学生でなければ都合が悪いことが起きるからではないでしょうか。

清春が記憶喪失だというのは部分的に嘘の可能性がある

説明は第2のポイントに移ります。

私は清春は1話で目を覚ます前の数ヶ月間の記憶が消し飛んでいると言っていましたが、そうだとするとおかしい行動をたくさんしています。

  • 起きた時碓氷班長の死体が横にあるのに驚かない
  • 克喜を世話することをすんなり受け入れる
  • 南武が克喜の父親でないことを知っていた風

起きた時碓氷班長の死体が横にあるのに驚かない

普通目覚めた時に人が腹から血を流し倒れていたら、ビックルするはずです。

まずその人が生きているのか死んでいるのか確かめるのではないでしょうか。

警察なら死体に慣れていますから、体に触るなどして確かめるはずです。

さらに知っている人だったとしたら尋常じゃない汗が出たりするのではないでしょうか。

でも清春は起きた瞬間に碓氷班長が亡くなっていることを察しました。

どうしてなのでしょうか。

もちろん刑事だから死体に慣れており、すぐに死体だと気づいたとしても、一応念の為確かめるのではないでしょうか。

そしてそうでなかったとしてももっと驚くはずなのです。

そして今の状況を後悔するのではないでしょうか。

しかし1話を見るとわかる通り、清春は冷静に「笑えねえ」と言っただけです。

この反応はあらかじめ碓氷班長が自分の傍らで亡くなっているのを知っており、それを改めて確認し、「笑えねえ」と言ったのではないでしょうか。

清春はその後証拠を隠滅し、自分に記憶がないことを周囲に打ち明けました。

本人はその後医者に診てもらったわけでもなさそうです。

本当に記憶がごっそり抜けおちているわけではないと言えます。

3話で検診のシーンが出てきますが、医師の話はカットされています。

本当に記憶喪失だとしても私は部分的に抜けおちているだけなのではないかと思っています。

ごっそりではなく部分的にです。

克喜を世話することをすんなり受け入れる

私は1話で非常に違和感を覚えたのですが、どうして清春は克喜を世話することをすんなり受け入れたのでしょうか。

普通20代か30代の男性なら、他人の子どもを世話することをためらうはずです。

子どもが好きで育てたいと思っていたなら別ですが、清春は幼い頃父親と揉めています。

それが原因でヤバイ刑事になったのですが、そんな人間が他人の子どもを育てるのをすんなり引き受けるのでしょうか。

1話の最後に清春は克喜に愛の言葉を伝えています。

まるで自分の子どもを諭すような長ゼリフを投げかけるのですが、これは本当の息子だから行ったことだと考えれば納得できるのです。

もしも清春が克喜が自分の子どもであると知っていたとしたら、頷ける行動を清春はたくさん行っているのです。

もしも清春が克喜が自分の子だと知っていたとしたら、数ヶ月間の記憶がごっそり抜けおちているというのは嘘だと断定できます。

南武が克喜の父親でないことを知っていた風

清春は南武さんが克喜の父親ではないかと疑っていましたが、南武さんとの一対一の会話でそうではなかったということがわかります。

南武が自分の子ではないと言った時特段驚いたように思いませんでした。

もともと知っていたとしてもおかしくないような行動をとったんです。

というより、こういう風に考えることができます。

「清春は自分が克喜の父親であることを知らなかったことをアピールするために、南武さんが父親ではないかということを探っていた」ということです。

もしもそうだとしたら、自分が克喜の父親であることを知っているということをどうしても隠したかったということになります。

【「ニッポンノワール」考察】黒幕は誰なのか?〜碓氷班長を殺した犯人は克喜か?〜まとめ

私は以上の点から考察して、碓氷班長を殺害したのは暴走した克喜で、清春はそれを庇い隠そうとしているのではないかということです。

清春は克喜が碓氷班長を殺したのを目撃し、その罪を被るためにわざと自分の傍らに碓氷班長を寝かして眠った。

そして運が良ければ隠せるよう工作した。

でも最悪バレたとしても自分が罪をかぶればいいと思っているのです。

清春は自分の子どもの将来を守るために、碓氷班長殺しの罪を被ったのではないでしょうか。

とはいえ克喜は10歳なので、刑事責任は問われません。

これがシナリオ的に複雑さを描くポイントとなるのではないでしょうか。

清春も自分の子どもを守るために罪を被った良い人だと描くことができるため、脚本家にとってもおいしい結末となります。

ですが、このような結末になるのかどうかは定かではありません。

面白くなってきた、「ニッポンノワール」の続きが待ち遠しいです。

(「十億円強奪事件」の犯人と碓氷班長を殺した犯人は別物だという件に関しては長くなったので別のページで記載します。)